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IPFSとは? 2021.03.02

IPFSとはInterPlanetary File Systemの略でInterPlanetaryとは日本語に訳すと「惑星間の」という意味ですので、IPFSとは惑星間のファイルシステムという意味です。いきなり惑星間のファイルシステムと言っても意味が分からないと思いますが、一つずつ解説していきます。

まずは現在のインターネットで主に通信で使われるのはHTTPと呼ばれるプロトコルで、このブログもHTTP通信を通じてコンテンツを取得してブラウザで見られるようになっています。

このHTTP通信ではあるURLを指定してコンテンツを取得しますが、URLはコンテンツの保管場所を示しています。つまりコンテンツの住所(サーバー)を示しています。HTTP通信では、その指定した住所(サーバー)のコンテンツを取得するプロトコルです。

HTTP通信は上図のように各々が住所(サーバー)からコンテンツを取得するため、サーバー内のコンテンツが消えていた場合や、何かしらの理由でサーバーへアクセスできない場合コンテンツが取得できずエラーが表示されます。

一方でIPFSは住所ではなく、品番を指定します。各ファイルには品番が割り振らており、同じファイルのコピーであれば同じ品番が割り振られています。そしてこの品番を指定することでそれがどこにあるかは関係なくそのコンテンツを取得します。

IPFSでは各々お互いが繋がっており、例えばあなたが上図の青いパソコンのユーザーで、あるコンテンツが欲しい時にそれが赤いパソコンにあっても緑のパソコンにあっても関係なくそのコンテンツが取得できます。

この各々のコンピューターをノードと呼ぶのですが、このノードを惑星と見立てているので「惑星間ファイルシステム」つまりIPFSという名前がついています。

IPFSの利点として非中央集権化されていることが挙げられます。先程言及した通り、HTTP通信ではサーバーが何かしらの理由でアクセスできないとコンテンツの取得ができませんが、IPFSの場合はコンテンツを持っているコンピューターが一つでもあればそのコンテンツを取得することができます。

また、コンテンツの検閲も困難です。HTTPでは住所(サーバー)へのアクセス禁止だけ行えばよいのですが、IPFSではどこにファイルがあるかはわからないですし、容易にコピーできてしまうのでコンテンツのブロックが簡単にはできません。

他の利点として、高速にコンテンツを取得することが可能です。たとえばサーバーがアメリカにあるものを日本からアクセスしようとすると通信距離が何千キロとなってしまいますが、IPFSでは近くから取得するため、極論を言えば隣の家の人からコンテンツを取得すれば通信距離は数メートルで済むのでコンテンツの取得速度が上る可能性があります。

さらに、IPFSでは品番を指定すると申し上げましたが、この品番はコンテンツから勝手に生成されます。つまり、同じコンテンツでは同じ品番になり、少しでもコンテンツの内容が変わると品番も変わります。そのため勝手に改竄ができないという利点もあります。

このようにIPFSは対障害性、対検閲性、対改竄性を持っておりHTTPに代わる、もしくは補完する技術として注目されています。

参考
https://docs.ipfs.io/concepts/what-is-ipfs/#decentralization